字が上手になる紙

I+Iステーショナリー 手漉き和紙の一筆箋
一筆箋

にわかには信じがたいと思うが、この紙で書くと字が上手になる。 弘法筆を選ばずというのは誰でもご存じだが、実際は筆も選び、墨も選び、紙も選ぶと良い。 特に紙は墨の発色と筆の滑りと直接に関係するので、紙によって恐ろしいように変化する。ただ、このコメントはあくまでも記録としての文書であって、いわゆる書道の世界ではない。書の世界は筆触とも言われるように紙を含めての作品づくりなので、紙に対する評価基準が全く異なる。

例をあげれば、是非写経に使ってみてほしい。(写経用紙も販売を予定している)天平の時代にタイムスリップしたような、素晴らしい作品が生まれる、最高の紙だ。

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魔法の便箋

I+Iステーショナリー 手漉き和紙の便箋と和封筒
便箋と和封筒

ではなんなのか、あるお客様が、この便箋を称して「魔法の便せん」と名付けてくれた。理由は、この便箋を使い始めてから、様々なお仕事がうまく展開するようになったとのこと。
当たり前だが、これは決して便箋のせいではなく、お使いになる方の思いの問題なのだが、きっとご自身の中で自用の便箋の美しさに対する思いが何かの力を添えてくれているのかもしれない。

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たかが紙

たかが紙と言ってしまえばそれまでだ。一通の手紙が千年保存されることを考えて紙を選ぶ人などいるはずがない。風合いひとつとっても、洋紙も和紙、選択にこまるほどの種類がある。 その中で、この紙を何故選ぶかということに理由はない。

私が何故このシリーズを作ったのかと聞かれれば「好きだから」としか答えようがない。能書きを述べれば、世界最高の紙とか、和紙の物語とか、紙の品位と格調とか、いくらでも話はできるが、それは物理的な特性と価格を正当化する選定基準とはならない。

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斐紙の再現

I+Iステーショナリー 斐紙の便箋
斐紙の便箋

今回の商品作りのために、正倉院文書の中に多く見られる斐紙の再現に挑戦している。千年前の和紙の再現である。 ここで大切なことは、千年前の和紙を再現することが目的ではなく「斐紙」を再現してみたら、その輝くような光沢と、強靱でいて優しい美しさにただ感動した。このあまりにも美しい紙を世に出したいと思った。
たとえ千年前の和紙を再現したところで、それが単なる復刻に過ぎない紙質であったならば、それを商品にして販売することなど考える事もなかったろう。

断っておかねばならないのは、私は和紙を礼賛し、洋紙をけなしているわけではない。 現代の世の中で、我々の身の回りの用に応えてくれるのは洋紙であって、和紙の世界など探さねばない事は十分に承知している。

今回の斐紙の再現の背景と言えば、日本には正倉院という世界でも類い希なる保存装置のお陰で千年前の紙が数多く保存されている。 しかも我々は、その現物を時折の展覧会で目にすることができる。千数百年前に作られた紙とは思えない状態と美しさにお気づきだろうか。和紙は千年を超えての保存性が実証されている世界で唯一の紙でもある。

日本の文化、工芸は、そのルーツをたどっていくと、殆どが渡来であることにたどりつく。紙も決して例外ではなく基本技術は渡来であることは間違いないだろう。
ただ紙の場合は靱皮繊維が原料であるだけに、風土自生のものへの転換は容易であったのだろう。今回復刻している斐紙の主原料は雁皮であり、雁皮は中国、韓国では使われていない、いわば日本オリジナルの原料である。

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開き直りの商品開発

I+Iステーショナリー 手漉き和紙の和封筒
板干しの和封筒

i+iの商品群は通常とは全く異なる商品開発の発想で考えることにした。 一般的に商品開発というのは、出発点となる企画、アイディアから始まり、市場の設定、開発コストなどの検討を経て、流通コストなどを織り込んで価格設定される。 その長いプロセスには様々な障壁があり、技術的な問題のみならず、開発とコストの問題は常に戦の場でもある。

企業は当然の事ながら利潤を目的として活動しているわけだから、結果は別として、設計段階ではビジネスとして慎重の上にも慎重にリスクの検討が加えられ勝算のある商品のみが、日の目を見る事になる。

今回はこうした通常の方法論を一切無視して、最高のものを作ってみようという事だけを考えている。一部の商品は驚くほど高価なものになったが、所詮趣味の領域であり、究極のこだわりの領域だ。 たとえ少数の人々であっても、最高級の和紙の魅力を存分に味わっていただく事ができれば、それでよしとしようと思う。

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「i+i」ブランドの由来

I+Iステーショナリー 手漉き和紙の洋封筒

まず、新参者のこのブランドの名前の由来を説明しておいた方が良さそうだ。 i+iというのは、二人の頭文字である。一人は奥出雲の斐伊川の里で江戸時代から続く紙漉七代目の井谷伸次さんだ。もう一人は私である。二人で、世界でも最高級のステーショナリーシリーズを商品化するためのブランド名として名付けたものだ。

和紙の美しさの虜になって久しい。
第一級の和紙の素晴らしさ、美しさをそのまま商品にできたらと思い、だいぶ前から商品化企画を考えてきた。

便せん封筒などの商品は当然のこととして考えられるのだが、何故か手が進まなかった。理由はと言えば至極単純なもので、和紙の便せんや封筒はたくさん市場にあって、新たな商品を送り出しても、競争のまっただ中へ自ら足を踏み入れるようなものだという事と、特に安価なものは、和紙とは名ばかりで、はたしてこれを和紙と呼ぶかという、紙の質の問題である。消費者はどこまで紙の質を理解しているのかという問題でもある。

現実に商品化するに当たって何が問題かと言えば、斐伊川和紙の井谷さんに頼んで上等の手漉和紙を使って便箋を作ると、とんでもない値段の便せんになってしまう。商売として考えると、とても成り立つ話ではない。

ある日銀座で、とても高価な便箋を売っているのを目にした。米国のブランドで最高級といわれているものだ。もちろん洋紙である。 和紙と洋紙を今の時代に比較することは、あまり意味を持たないのだが、和紙の組成、歴史、物語などどれをとっても話題にことかかない事は洋紙の比ではない。

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