連載「モノ語り」目次

ラウンジチェア・アームのモノ語り

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手鉋で仕上げるスピンドル

手鉋で仕上げるスピンドル
(写真8)

スピンドルは一見丸い棒のように見えるが、よく見ると鉋のあとが、はっきりと見てとれる。これもこのデザインの機能という視点からみると、全く意味をもたないし、機械で旋盤加工した方が一般的には美しく、かつ精度の高いものができる。
ここに木匠ジョージ ナカシマのこだわりが見える。旋盤加工された正円の棒で組まれたラウンジアームを想像してみてほしい。

市場でもスピンドルを使用した椅子は多く見かけ、工業製品としての精度を持ってこそいるが、ラウンジチェア・アームのもつ、やさしさや、あたたかさはない。念のため、それがいけないと言っているわけではない。
ただ、わざわざ手鉋で一本一本仕上げている理由は、そんなところにある。気のせいか、私の購入した当時の少々乱暴とも言える仕上げよりも現在の仕上げは大分上等になっているような気がするのだが、いかがだろう。

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「ラウンジアーム」の商品情報は、桜ショップオンラインにてご覧いただけます。

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株式会社古今研究所 代表取締役
稲生一平

アートディレクター、陶芸家
1942年生まれ。大手広告代理店に勤務後に独立。異色のプロデューサーとして活動。
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