連載「モノ語り」目次

香筒のモノ語り

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香たて 小さな部品

香筒
(写真12)

さて、ご自宅では不自由がなくとも、旅先などで線香を焚こうと思うと香たては必須だ。香たてさえあれば、あとは灰皿でも、小皿でもなんでも良い。デザイナーの馬鹿な夢は、小さな美しい石の香たてができたらと思ったが、現状では、やはり馬鹿な夢で、石を加工して仕上げ、そこに小さな穴を開けるというのはとても高価なものになる。一応の試作はやっている。

ということで、ここは手軽で加工しやすい人工大理石を使用することとした。

かくして楽しい開発は一応のゴールにたどりついた。今回も一生懸命のプロジェクトだが、商品開発というのは、どこで止めるかという事で、決して満点もないし、満足もない。考え続ければ、どんなに小さな簡単なものでも湧き出るように改善点がうかぶものだ。願わくば、お客様のフィードバックも得ながら小さな改良を続け、長い時間をかけて完成度を高めていくことができたらと思う。

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「香筒」の商品情報は、桜ショップオンラインにてご覧いただけます。

authorInoh Ippei  linkLink  comment0  trackback 
category香筒  time16:09

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株式会社古今研究所 代表取締役
稲生一平

アートディレクター、陶芸家
1942年生まれ。大手広告代理店に勤務後に独立。異色のプロデューサーとして活動。
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